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学校懲戒に関する法規制~退学処分はいかなる場合に違法となるか~

2014.10.29

先日母校の文化祭に行ってきました。
全ての教室にプロジェクターが設置されていたり,新しいパソコンルームがあったりと多少の変化はありましたが,校舎の様子や生徒の雰囲気は変わっておらず,大変懐かしく思いました。

そんなわけで,今日は,今まで取り上げたことのない「学校懲戒」について考えてみたいと思います。
※私の母校とは全く関係ありませんが,学校関連,ということで取り上げてみます。

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学校懲戒と法規制

学校懲戒とは,校則に違反した者に対して行われる懲戒処分のことをいい,退学処分,自主退学勧告,停学処分などがこれにあたります。
法規制としては,学校教育法第11条において,「校長又は教員は,教育上必要があると認めるときは,文部科学大臣の定めるところにより,学生,生徒及び児童に懲戒を加えることができる。ただし,体罰を加えることはできない」と定められています。

退学処分についての法規制

懲戒処分のうち,1番重い処分は,いうまでもなく退学処分です。
退学処分については,学校教育法施行規則26条3項において,次のいずれかに該当する児童等に対してすることができるとされています。
一   性行不良で改善の見込がないと認められる者
二   学力劣等で成業の見込がないと認められる者
三   正当の理由がなくて出席常でない者
四   学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者
なお,退学処分は,公立小中学校,盲・聾・養護学校に在学する学齢児童・生徒に対してはできないと規定されています。

退学処分に関する裁判例


国公立であると私立であるとを問わず,学校には学則等により在学する学生を規律する包括的権能を有し,特に私立学校においてはそれがより広く認められるものと解されています。
しかし,退学処分については,他の懲戒処分と異なり,学生の身分を剥奪する重大な措置であることにかんがみ,当該学生に改善の見込みがなく,これを学外に排除することが教育上やむを得ないと認められる場合に限って退学処分を選択すべきであり,上記施行規則26条は,その趣旨で処分事由を限定的に列挙したものと解されるとされています(昭和女子大事件最判)。
また,修徳学園バイク退学処分事件(運転免許の取得及びバイク乗車を禁止する校則に反して、私立高校生が運転免許を取得したうえ自動二輪車を購入したことなどを理由に退学処分にした事件)において,東京高裁は,「とくに,被処分者が年齢的に心身の発育のバランスを欠きがちで人格形成の途上にある高校生である場合には,退学処分の選択は十分な教育的配慮の元に慎重になされることを要求されるというべきである」として,「できるだけ退学という事態を避けて他の懲戒処分をする余地がないかどうか・・・慎重に配慮した」かどうか,当該生徒の性格及び行状等に照らして当該生徒に適切な指導監督が施されるならば今後の違反行為を断つことを期待することができたかどうかという枠組みで判断し,本件退学処分は、処分権者に認められた合理的裁量の範囲を超え、違法であるとしました。

雑感

以上のとおり,学校が退学処分を選択する場合には,生徒や保護者に対する実質的な指導や懇談を試み,今後の改善の可能性を確かめる余地がないかを慎重に判断しなければなりません。
結局のところ,退学処分の適否については,その生徒が学校を辞めさせられても真にやむを得ないといえるかどうかという視点で判断されることになります。
学校と生徒との間で起こった出来事,生徒の問題言動,事実経過は,ケースによって実に様々ですが,全ての事件に共通していえるのは,退学処分が被処分者の生徒の人生を大きく左右する重大な措置であるということです。
生徒が学校から退学勧告をされた場合には,それに直ちに応じるのではなく,1度弁護士に相談をしたうえで今後の方針を決定することをお勧め致します。
逆に,学校側が,問題のある生徒さんについて懲戒処分を検討している場合には,どのような手続をとるべきかについて慎重に検討した上で処分をすることが望ましいでしょう。