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ブログブログ

趣味と罰

2014.07.23

児童ポルノ単純所持が違法化

最近,児童ポルノ法が改正されました。改正の概要は,次のサイトが参考になります。

この改正によって,ざっくりいうと,個人が趣味で児童ポルノを持つことが犯罪となりました。

児童ポルノ法の立法趣旨は,子供を性的虐待から守るというものであり,正当なものといえます。捜査機関は,児童の保護という正当な利益のために奮闘してほしいと思います。

曖昧な定義による不具合

ところが残念なことに,「児童ポルノ」の定義が曖昧なこともあり,児童の保護という立法趣旨から外れた捜査が行われてしまう懸念があります。

例えば,「CGが児童ポルノといえるか」が現在,東京地方裁判所で争われています。

事実関係は明らかになっていませんが,いずれにせよ児童の保護という立法趣旨に適った判断がなされなければいけません。

変わった趣味

ところで,成人男性が小学生のふりをして自身の一物の写真をわざと拡散させた場合に,児童ポルノ法違反になるのでしょうか。

「児童ポルノ」とは,次のように定義づけられています。

この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの

要するに,児童ポルノとは,エッチな児童の画像等をいいます。
そして,「児童」とは,「十八歳に満たない者」をいいます。つまり,真実として18歳未満の人間が「児童」になります。
ということは,成人男性がいくら児童のふりをしても,18歳未満ではないため,「児童」にはあたらないことになります。
そのため,成人男性が小学生のふりをして自身の一物の写真をわざと拡散させたとしても,児童ポルノ法違反にはならないことになります。

それでも違法

児童ポルノ法違反にならないとしても,安心はできません。日本には児童ポルノ法の他にも,刑法が存在します。
実は,成人男性が小学生のふりをして自身の一物の写真をわざと拡散させる行為は,刑法に違反します。

刑法175条は次のように定めます。
「わいせつな文書,図画…その他の物を頒布し,又は公然と陳列した者は,二年以下の懲役」に処する。

個別具体的な事情にもよりますが通常は,一物の写真はわいせつな図画となり,拡散行為は頒布となります。
そのため,一物の写真の拡散行為は,刑法175条に違反する犯罪行為となります。

まとめ

わいせつな趣味は私的空間にとどめることが日本法の建前です。
もっとも,今回の児童ポルノ法の改正によって,一見すると私的空間にとどまると思われる単純所持行為が規制されることになりました。これは,児童ポルノの単純所持は,児童ポルノの氾濫を招く危険性を有するものであるという考え方に基づくものと思われます。児童ポルノの単純所持と児童への悪影響との因果関係を緻密に検討すると,児童ポルノの単純所持は,必ずしも私的空間にとどまる性質のものではないという発想なのでしょう。