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「執行猶予」の猶予期間が経過するとどうなるか?

2014.02.18

皆さんおそらく一度はテレビやニュースで目や耳にしたことがある「執行猶予」という言葉。

ニュースでは、

「◯◯事件の裁判で、本日東京地方裁判所で、懲役2年6か月、執行猶予3年の判決が言い渡されました。」

というような報道がされますが、この「執行猶予」の3年が経過すると判決の言い渡しを受けた被告人はどうなるのでしょうか?

A 懲役刑の執行が3年間猶予されていただけなので3年経過したら刑務所に送られる

B 3年が経過すると刑務所に行かなくて済む

皆さんはAとBのどちらだと思いますか?

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執行猶予期間が経過すると?

 「執行猶予」という言葉の響きからするとAが正解とも思えるのですが、正解はBです。

といっても、執行猶予期間である3年の間に新たに罪を犯した場合には、執行猶予は取り消され、元々言い渡されていた2年6か月の懲役に加えて新たな犯罪についての刑罰を受けることになりますので、「執行猶予期間である3年間、罪を犯さないで経過すると刑務所に行かなくて済む」というのが本当の正解と言えるかもしれません。

どうすれば執行猶予になる?

 執行猶予が付けば刑務所に行かずに社会の中でやり直す機会が与えられますので、被告人や関係者にとっては執行猶予が付くか付かないかは大きな関心事です。

我々弁護士が刑事弁護人として活動する場合も、執行猶予が付くか付かないかきわどい事件の判決言渡しの時にはかなり緊張します。

執行猶予は判決で言い渡される懲役が「3年以下」の場合に限って付けることが許されています(懲役のほか禁固でも同様で、50万円以下の罰金も対象ですが、執行猶予の対象となる多くの事件では懲役刑の場合です。また執行猶予を付けるための条件は他にもいくつかあります。)。

 また、3年以下の懲役の中でも、例えば初犯であるとか、被害弁償がされていたり今後の弁償見込みがあるとか、真面目に反省をしているとかの事情があり、刑務所ではなく社会での更生が期待できる場合に限って執行猶予が付けられます。

なお統計的には懲役刑のうち5割から6割に執行猶予が付けられているようです。

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< 参照条文>

執行猶予についてもう少し知りたい方は以下の参照条文もご参照下さい。

刑法第25条

1 次に掲げる者が3年以下の懲役若しくは禁固又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、その執行を猶予することができる。

 ①前に禁固以上の刑に処せられたことがない者

 ②前に禁固以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁固以上の刑に処せられたことがない者

2 前に禁固以上の刑に処せられたことがあってもその執行を猶予された者が1年以下の懲役又は禁固の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第1項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。

刑法第26条

 次に掲げる場合においては、刑の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。ただし、第3号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第25条第1項第2号に掲げる者であるとき、又は次条第3号に該当するときは、この限りでない。

 ①猶予の期間内に更に罪を犯して禁固以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予の言渡しがないとき。

 ②猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁固以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予の言渡しがないとき。

 ③猶予の言渡し前に他の罪について禁固以上の刑に処せられたことが発覚したとき。

刑法第27条

刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。