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かわいいペットには旅をさせるな?

2014.02.10

ジャック

 彼の名前はジャックです。やんちゃなトイプードルです。かわいいですね。かわいいペットには旅をさせたほうが良いのかもしれないと思う今日このごろです。

 

ペットに旅をさせると…?

 「かわいいペットには旅をさせたほうがよいのでしょうか?」という質問を受けたとしましょう。この質問に皆様はどう答えますか?

 「ペットには旅をさせたくない。」「ペットは旅をしない。」などなど,答えはいろいろあるかと思います。

 この質問に対する法律家の答えは,「かわいいペットには旅をさせるな。」です。その理由は,ペットに旅をさせると,ペットの飼主が刑事責任や民事責任を負いかねないからです。

 刑事責任としては,拘留があります。例えば,「東京都動物の愛護及び管理に関する条例」は,犬の放し飼いを禁止しています。条例に違反してペットの放し飼いをした飼主は,拘留または科料に処せられることがあります。

 民事責任としては,金銭賠償があります。例えば,ペットが人に噛みつくなどして怪我を負わせた場合には,飼主は損害賠償として何千万円もの支払義務を負うことがあります。

 

犬を吠えさせてはいけない?

ペットに 旅をさせるのは極端な例ですが,飼主がいつもどおりペットと散歩しているだけで民事責任を負うことがあります。

例えば,次ような事件がありました。

 Aさんが犬を散歩中,その犬が,公道上に立っていた老人に向かって吠えました。その老人は驚き,転倒して左下腿骨を骨折しました。

老人はAさんに対して,610万円を支払うように求める訴訟を提起しました。飼犬の保管上の過失があるというのです。

Aさんは,次のように主張して争いました。綱と首輪をきちんと装着して散歩をしていたのだから飼犬の保管上の過失はない。また,犬が吠えないように制御する義務を飼主に要求することは酷である。

さて,裁判所の判決はどうなったと思いますか?「犬が吠えないようにするなんて…」「610万円も請求するなんて…」と思うかもしれません。

しかし,裁判所は次のとおり判示しました。

「被告は,犬が吠えることの制御をその飼い主に求めるのは甚だ酷である旨主張するが,動物を飼っている者は,その飼育から生ずる一切の責任を負担すべきであり,また,犬を調教することによって,これを達成することも可能であるから酷であるとも言い難い。」「原告は被告に対し,460万0848円を請求することができる。」

要するに,犬が吠えて他人が怪我をした場合,飼主は460万円を支払う義務がある,ということです。

どうでしょうか。厳しい判決だと思いますか?

 

ペットの飼主には重い責任が課されている

この判決の当否にはふれませんが,ペットの飼主には法律上重い責任が課されています。例えば,民法には次のような条文があります。

民法718条1項本文「動物の占有者は,その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。」

つまり,ペットの飼主は,原則として,損害賠償責任を負うということです。

飼主の皆様はしっかりとペットの飼育をしましょう。ペットが他人を不幸にしないように。ペットが飼主を不幸にしないように。ペット自身が不幸にならないように。