債務整理・過払い金返還請求

10.知っておきたいお金と債務整理に関する知識

(1) 今,自分で借りている借金の金利を知っていますか?

債務整理の相談者の中には,現在,借り入れをしている借金の金利を知らず,毎月の返済額だけを気にしている方が多くいます。
しかし,金利が高ければそれだけ多く損をしているということです。
多くの暮らしとお金に関する雑誌に記載してあるとおり,家計の改善には個々の支出項目が得なのか損なのかを比較検討していくことが不可欠です。
高い金利での利息の支払いは,生活のために必要な物品やサービスに交換されることなく失っていくお金であり,このような支出は一日も早くなくすべきです。

(2) リボルビング方式の借り入れについて

多くの消費者金融業者では,貸付返済方式に借入残高に応じてスライドして返済金額が決定されるリボルビング方式を採用しております。
リボルビング方式とは,通常の消費貸借契約が最初の貸付金額に対して返済方法が決定されるのに対して,既存の貸付残高に新規の貸付金額を合計した貸付残高に応じて返済金額が決定される点で異なり,これにより貸付と返済を繰り返して回転(リボルブ)できるようになっています。
消費者にとっては,消費者金融業者1社に対して,毎月の返済額だけを気にしていれば済むので利便性が高いともいえます。
しかし,リボルビング方式の借り入れでは,いつまでも借金がゼロになる目途がたたないまま高金利の利息を返済するために借り入れを繰り返してしまう傾向があります。
一度借り入れをするごとに,借金がゼロになるための計画をしっかり立てなければいつまでも借金はなくならず,高い金利での利息の支払いで損をしていることになります。
リボルビング方式での借り入れをしている方は,積極的に返済をしなければ借金をゼロにするのは難しくなります。借金をゼロにするための積極的な返済が難しいようでしたら,自分だけでの改善は困難になっていると思われますので,弁護士に相談してください。

(3) クレジットカードでのショッピングについて

クレジットカードでショッピングをされる方の中には,一括払いと分割払いの違いをしっかり認識せずに分割払いを選択する方も多くいます。
クレジットカードの一括払いは,この世の中で数少ない無利息信用取引である上,ポイントまで付加される消費者にとって極めて有利な取引であり,家計のやりくりの上手な方にはクレジットカードを積極的に活用している方も多くいます。
しかし,クレジットカードの分割払いを選択すると,たちまち高金利の信用取引に切り替わり,消費者にとって極めて不利な取引になってしまいます。このような不利な取引は極力差し控えなければなりません。
クレジットカードは便利な反面,利用しすぎて家計を破綻させる原因にもなります。
クレジットカードでのショッピングは一括払いを心がけ,分割払いをしなければならないほどの利用はしないようにしましょう。
そして,もし分割払いの支払いが困難なほど支払残高が多くなっている場合には,弁護士に相談してください。クレジットカードの利便性やポイントが付加されることから債務整理を躊躇される方もいらっしゃいますが,本末転倒であり,抜本的解決を検討してください。

(4) ライフプラン・ライフイベントを考えた家計管理を

家計が破綻する人の中には,不意な支出に対処するために借金をし,これを早期に返済しないまま放置した結果,借金が膨らんでいった方も少なからずいます。
不意な支出かどうかはその支出が予測できたかどうかの問題であります。
支出が予測できるのであれば,それに備えて積み立てる必要があり,また,予測できない支出に備えて日頃から貯蓄をする努力をしていく必要があります。
家計の管理は,人生の全期間を見据えて行っていく必要があり,そのためには今後の人生において生じるであろう出来事(ライフイベント)から予想される支出を見積もり,そのライフイベントに対処するための計画(ライフプラン)を立てることが重要です。
丼勘定の家計管理をしていると思われている方は,家計簿をつけるなどして家計の問題点を整理してみてはいかがでしょうか。

(5) 住宅ローンで自宅を保有している方へ

自宅の購入は,通常,人生において一度だけの出来事であるので,できるだけいい物件を購入したいと思うのは無理からぬことであり,そのために35年ローンなどで厳しい住宅ローンを組む方もいらっしゃいます。
住宅ローンの支払いのために厳しく家計を管理している方は問題ありませんが,家計を管理しきれずに消費者金融から借り入れをしてしまっている人は,借り入れを返済できるかどうかを検討し,難しいようでしたらすぐに弁護士に相談してください。
自宅を残すためには厳しい家計の管理が要求される場合があり,借金が膨らむ前に債務整理を行った方が成功率が上がります。
また,住宅ローンの支払い自体の負担があまりに大きい場合や,自宅の保有よりも将来の貯蓄の方が重要だと考える場合には,自宅の任意売却とともに債務整理を行うことにより経済的に有利に債務整理を行うこともできます。
自宅を保有している方で借金にお悩みの方は弁護士に相談してください。

(6) 退職金で借金の返済を考えている方へ

多額の借金をしている人で多額の退職金がおりる職場にお勤めの方の中には,退職金を現在ある借金の返済に充てようと考えている方もいるのではないかと思われます。
しかしながら,退職金全額を借金の返済に充ててしまうことは,退職後の生活を考えるとあまりに危険です。
自己破産の換価基準や個人再生手続の清算価値の要件では,破産手続開始決定時や再生手続開始決定時における退職金見込額の8分の1が破産において配当すべき財産や再生手続における清算価値に含まれ,8分の7はこれらに構成されないことになります(ただし,開始決定後に退職した場合には,退職金請求権の4分の1が含まれることになります)。
退職金制度がある職場にお勤めの方で多額の借金をしている人は,退職前にできるだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

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