6.個人再生手続
(1) 個人再生手続とは?
個人再生手続とは,民事再生手続のうち,「小規模個人再生および給与所得者等再生に関する特則」の適用のあるものをいいます。
通常の民事再生手続は,裁判所が行う再生手続開始決定時に存在する再生債権(共益債権・一般優先債権は除かれます)の一部を分割弁済して残債務を免除する内容の再生計画案を再生債権者の決議に付して,議決権者の過半数の同意かつ議決権者の議決権の総額の2分の1以上の議決権を有する者の同意があった場合に可決され,権利変更が生じるというものです。
いわば債権者による決議という民主主義的制度によって債務の一部免除が認められるという制度です。
個人再生手続は,通常の民事再生手続の特則として,主に次の点に特徴があります。
- 個人再生手続は,継続的または反復して収入見込みのある債務総額5,000万円(住宅ローン等を除く)以下の個人のみが申し立てることができます。給与所得者等再生の場合には,さらに給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みのある者であって,かつ,その額の変動の幅が小さいことが必要です。
- 通常の民事再生手続では,再生経過案の認可を受けるには,債権者の多数の賛成(積極的同意)が必要であるのに対し,小規模個人再生では,多数の反対がないこと(消極的同意)で足り,給与所得者等再生では債権者の同意が不要であるという違いがあります。
- 再生計画に定める弁済総額は,破産した場合に債権者に分配される総額(清算価値)を下回らないことが必要ですが,小規模個人再生の場合には,この清算価値の要件に加えて最低弁済基準額の要件を満たすこと,給与所得者等再生の場合には,この清算価値の要件および最低弁済基準額の要件に加えて可処分所得要件を満たすことが必要です。
(2) 個人再生について,より詳しく知りたい方へ
個人再生の専門サイト個人再生相談.comをご覧下さい。
(3) 個人再生手続の流れ(東京地方裁判所の場合)
- 01
- インターネットによる法律相談の申し込み
- 02
- 法律相談日の決定(メール・電話などご希望の方法でご連絡します。)
- 03
- 法律相談・委任契約の締結(法律相談料がこのときに発生します)
- 04
- 債務整理開始通知・取引経過開示請求の発送
→この時点で貸金業者からの取り立てが止まり,以後,当面弁済する必要がなくなります。
- 05
- 取引経過の開示・利息制限法による引き直し・総債務額の確定
→この時点で改めて債務整理の方針を検討します。
- 06
- 個人再生手続申立書の作成
- 07
- 裁判所へ個人再生手続申し立て
- 08
- 個人再生委員の面接
→本人と弁護士が個人再生委員の事務所等に行きます。
- 09
- 再生手続開始決定
- 10
- 債権認否一覧表・財産状況報告書の提出等
- 11
- 再生計画案の提出
- 13
- 再生計画案の認可決定
- 14
- 再生計画案認可決定の確定
- 15
- 再生計画案に基づく弁済の実行
- 16
- 返済終了
(4) 過払い金返還を利用した個人再生について
個人再生の申し立てをする場合でも,過払い金が発生していれば負担の少ない個人再生を行うことができます。
詳しくは,過払い金返還.comの過払い金返還を利用した個人再生をご覧下さい。