債務整理・過払い金返還請求

3.過払い金返還請求

(1) 過払い金返還請求ができる人

高金利業者から長期間借り入れをしていた人

過払い金は,利息制限法の制限金利を超える金利での借り入れをしている人が,長期間,超過利息を支払い続けた結果,法律上借り入れ元金の支払いが終了(完済)となり, それでもなおかつ超過利息を支払っていた場合に生ずるため,高金利業者から長期間借り入れをしていた人に多く発生しています。

過払い金は,弁護士の経験上,5~10年以上借り入れをしていた人に発生することが多いですが,10年を超える借り入れをしている人でも必ず過払い金が発生するとは限りません。
借入期間が長くても,長期間少ない残高で借り入れをしていて,債務整理直前に多額の借り入れをした場合には,直近の借り入れによる負債増加額が利息制限法による引き直し効果を上回るため,過払い金が発生しない場合もあります。
逆に,借入期間が短くても,債務整理開始時の借入残高が減っている場合には過払い金が発生する場合もあります。

なお,利息制限法引き直しシミュレーションについては,2.利息制限法と過払い金をご覧下さい。

高金利業者から借り入れをして支払いが終了(完済)した人

前述のように,過払い金が発生するのは,利息制限法による引き直し効果が負債額を上回るためであるため,利息制限法の制限金利を超える借り入れをしていた人が約定金利での借金の支払いを終了(完済)した場合には,必ず過払い金が発生することとなります。
この場合には,債務整理をすることなく,過払い請求(過払い金返還請求)をすることができるため,人によっては多額の資産(数百万円)を形成することがあります。

利息制限法引き直しシミュレーション

1990年10月10日に50万円を借入れ,年利28%の利息だけを毎月25日に支払い続けた場合の利息制限法引き直し残高(過払い金残高)の推移

過払い金返還請求の利息制限法引き直しシミュレーション

※このシミュレーションは,上記仮定に基づく計算結果であり,実際の契約状況・取引状況によって利息制限法引き直し残高(過払い金残高)は異なります。
※このシミュレーションでは,過払い金に対して発生する利息を5%として計算しています。

(2) 過払い金返還請求権の消滅時効

過払い金返還請求権は,過払い金発生の日から10年で消滅時効にかかってしまいます。したがって,過払い請求(過払い金返還請求)は,約定金利での借金の支払いを終了(完済)した日から10年以内にしなければなりません。
消費者金融大手4社(アイフル,アコム,プロミス,武富士)が過払い金返還に備え利息返還引当金として約1兆円を計上していることから,過払い金はなお多くの消費者金融利用者の中に眠っているものと考えられます。
過払い金があるとお考えの方は,一日も早く弁護士に相談されることをおすすめします。

(3) 過払い金返還請求訴訟 ~管轄について

貸金業者に対して,過払い金返還請求をしても,貸金業者が過払い金の返還に応じない場合や返還に応じる過払い金の額が少なく納得できない場合には,裁判所に対して過払い金返還請求訴訟を提起することとなります。

過払い金返還請求訴訟を提起するにあたって重要なのは管轄です。 管轄とは,日本国内の各種各地において存在する裁判所のいずれの裁判所が裁判権を行使するかという問題です。過払い金返還請求訴訟の場合には,事物管轄と土地管轄が問題となります。

事物管轄(地方裁判所か簡易裁判所かの問題)

過払い金返還請求訴訟における事物管轄の問題とは,第一審裁判所として簡易裁判所と地方裁判所のどちらの裁判所に訴えを提起しなければならないのかということです。
法律では,訴訟の目的物の価額(訴額)が140万円を超えない場合には簡易裁判所に,140万円を超える場合には地方裁判所に訴えを提起することとされています。
過払い金返還請求訴訟における訴訟の目的物の価額(訴額)とは,過払い金返還請求額をいいますが,厳密には,最終取引日における過払い金元本となります。この金額が140万円を越えない場合は簡易裁判所、越える場合は地方裁判所に訴えを提起する必要があります。
なお,地方裁判所における委任に基づく訴訟代理人は弁護士に限定されています。

土地管轄

過払い金返還請求訴訟における土地管轄の問題とは,全国各地に存在する裁判所のうちいずれの裁判所に訴え提起をしなければならないかということです。
過払い金返還請求訴訟の場合,過払い金の返還を求める請求者の住所地または貸金業者の本店所在地を管轄する裁判所に対して訴え提起をすることになります。(ただし、支店・営業所所在地でも訴え提起が可能な場合があります。)
大手貸金業者の本店所在地の多くが東京に存在するため,多くの過払い金返還請求訴訟が東京地方裁判所または東京簡易裁判所に対して提起されています。

(4) 過払い金返還請求について,より詳しく知りたい方へ

過払い金返還請求の専門サイト過払い金返還.comをご覧下さい。

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