貸金業者から借り入れを行っている方の中には,年20%を超える金利で借り入れをしている方もいると思われます。出資法という法律では,貸金業者が貸付の際に設定できる金利を年29.2%まで認めているため,年20%の金利で貸付をしても年29.2%までならば犯罪とならないため,多くの貸金業者が年20%を超える貸付をしています。
金融庁による2005年度の統計によれば,消費者向け無担保貸付金15兆5798億円(6200万件)のうち,年20%を超える貸付金は11兆4095億円(4714万件)あり,73.2%を占めると言われています。
このように年20%を超える金利で借り入れている人は多数いますが,利息制限法という法律では, 有効に受領できる金利を借入額10万円未満では20%,10万円以上100万円未満では18%, 100万円以上では15%に制限しており,これを超える金利で借り入れをしている人は利息を払いすぎています (出資法で定められた年29.2%の上限金利と利息制限法で定められた年15%~20%の制限金利の間の部分をグレーゾーン金利と言います)。
払いすぎた利息(超過利息)は法律上元本の支払いに充てられるため,法律上有効な借入残高が相当減少する場合があります。
弁護士による債務整理では,利息制限法で定められた金利に引き直した上で法律上有効な借入残高を基準に債務整理の各種手続きを行うため,債務者に最も有利な方法で借金を成立することができます。

このように利息制限法で定められた金利で引き直し計算を行って,超過利息を法律上元本の支払いに充て続けた結果, 法律上元本がゼロになり,さらに超過利息を支払い続けることにより,借金残高がゼロになっても超過利息だけを支払っている状態となります。 この法律上の借金残高がゼロになった後に支払った超過利息を過払い金といい, この過払い金は貸金業者から取り返すことができます(過払い金返還請求)。
過払い請求では,訴訟を提起した方がより多くの過払い金の返還を受けることができる場合が少なくないので,訴訟の専門家である弁護士に過払い金の返還請求を依頼されることをおすすめします。
2000年1月10日に50万円を借入れ,年利28%の利息だけを毎月25日に支払い続けた場合の利息制限法引き直し残高(過払い金残高)の推移

※このシミュレーションは,上記仮定に基づく計算結果であり,実際の契約状況・取引状況によって利息制限法引き直し残高(過払い金残高)は異なります。
※このシミュレーションでは,過払い金に対して発生する利息を5%として計算しています。
過払い金が発生した場合,過払い金のみを請求するだけでなく,過払い利息を請求することができます。
過払い請求(過払い金返還請求)は,法律上,不当利得返還請求と言われ,過払い金が発生した日の翌日から年5%の法定金利が付加されます。
過払い金が発生した後に,借り入れをした場合には,逆に,法律上,貸金業者が,過払い金に対して返済を行うような形となり,借入金(過払い金に対する返済金)は,まず,過払い利息に対して充当され,その後,過払い金元本に充当されます。
したがって過払い利息を付加して計算した方が,過払い金元本の減少を抑制することができるため,過払い利息を考慮しない場合よりも格段に多く過払い金の発生を認識することができます。
過払い利息を付加した上での過払い金返還請求に対しては,抵抗する貸金業者も多く,このような貸金業者に対して過払い金の最大回収を行うためには,過払い金返還請求訴訟を行うことが効果的となります。