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基礎知識基礎知識

新築住宅の欠陥・瑕疵についての法的責任

2011.08.29

1.住宅の品質確保の促進等に関する法律による新築住宅の瑕疵担保責任の強化

住宅の取得は、ほとんどの人にとって一生に一度の大きな買い物です。そんな大切な住宅には、欠陥(法令では「瑕疵」(かし)という用語が使用されます。)がないことが一番です。しかし、万一、住宅に瑕疵があった場合の備えとして、住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「品確法」といいます。)は、住宅紛争の処理体制を整備し、住宅の品質確保の促進・住宅購入者等の利益の保護・住宅紛争の迅速・適正な解決を図ることを目的(品確法1条)として、平成12年4月に施行されました。
新築住宅の瑕疵担保責任については、94条および95条に規定が設けられており、いずれも民法の瑕疵担保責任の責任期間が延長される等、民法上の規定と比べ、責任が強化され、住宅取得者の利益が保護されています。

2.民法上の瑕疵担保責任(民法570条、634条)

民法は、売買契約については570条で、請負契約については634条で、各々瑕疵担保責任についての規定を設けています。
民法570条および同条が準用する566条は、売買の目的物に隠れた瑕疵があった場合、買主は売主に瑕疵担保責任(損害賠償および契約の解除)を追求することができるとし、その期間は買主が瑕疵を知った時から1年以内と規定しています(566条1項、3項)。売主が負う責任は、無過失責任ですが、当該規定は任意規定なので、責任期間を排除する特約を当事者が締結することが可能です。「隠れた瑕疵」とは、取引上要求される一般的な注意では買主が発見することができない瑕疵であるとされています。
民法634条は、請負契約の瑕疵担保責任につき、売買契約と同様に無過失責任とし、損害賠償および契約の解除を認めています。売買契約の場合と異なるのは、瑕疵が「隠れた瑕疵」に限定されていない点と、一定の範囲で修補請求が認められている点にあります(民法634条1項・2項、635条)。瑕疵担保責任の追及が可能な期間は、目的物の引き渡しから1年以内とされています(637条1項)。

3.新築住宅の瑕疵担保責任に関する特例(品確法94条、95条)

品確法94条および95条は、新築住宅について民法で規定されている瑕疵担保責任を強化する規定です。

  1. 94条は、注文住宅を新築する建設工事の請負契約を対象とし、95条は、新築住宅の売買契約を対象としています。「新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないものであって、建設工事完了の日から1年を経過していないものをいいます(品確法2条2項)。
  2. 品確法94条および95条による瑕疵担保責任の対象となるのは、平成12年4月1日以降の契約による新築住宅ですが、当該住宅のすべての部分の瑕疵ではありません。品確法は、対象となる部分を、「構造耐力上主要な部分」「雨水の浸入を防止する部分」として政令で定めるものと限定しています。
    「構造耐力上主要な部分」とは、住宅の基礎、基礎杭、壁、柱、小屋組(屋根を支える構造物をいいます。)、土台、斜材(筋交い、方杖、火打材その他これらに類するものをいいます。)、床版、屋根版又は横架材(梁、桁その他これらに類するものをいいます。)で、当該住宅の自重若しくは積載荷重、積雪、風圧、土圧若しくは水圧、又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいいます(品確法施行令5条1項)。
    「雨水の浸入を防止する部分」とは、住宅の屋根若しくは外壁又はこれらの開口部に設ける戸、枠その他の建具、及び雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、当該住宅の屋根若しくは外壁の内部又は屋内にある部分をいいます(品確法施行令5条2項)。
    品確法上の瑕疵とは、通常住宅として有していることが期待される品質や性能を欠いていることを指します。なお、構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものは瑕疵から除外されています。また、新築住宅の売買契約を対象とする品確法95条は、「隠れた瑕疵」に限定しているので、注意が必要です。 品確法上の瑕疵担保責任の適用対象とならない部分の瑕疵については、民法の瑕疵担保責任の規定によって判断されることになります。
  3. 品確法上の瑕疵担保責任の特例が、民法の瑕疵担保責任と比べ、特に内容が強化されている点は、瑕疵担保責任の期間です。品確法の瑕疵担保責任は、民法上1年とされていた瑕疵担保責任の責任期間を、目的物の引き渡しから10年として期間を延長し、民法が当該期間を当事者の特約により排除できるのに対し、品確法は、当事者の合意による特約で排除することはできないとする強行規定となっています(94条1項2項、95条1項2項)。したがって、たとえば、住宅の売買で、「瑕疵担保責任を負うのは引き渡しから5年」との特約を当事者間で締結しても、品確法上の構造耐力や雨水の浸入に影響ある部分の瑕疵については、売主は特約とは関係なく10年の瑕疵担保責任を負うことになります。請負契約の場合にも同様です。
  4. そのほかの責任内容は、(i)瑕疵の修補義務、(ii)損害賠償義務、(iii)売買契約の場合、瑕疵により契約の目的を達せないときには契約の解除、となります(品確法94条・95条、民法570条・566条1項2項・634条)。上記3点の責任内容は、請負契約の場合は、民法と同様ですが、売買契約の場合には、瑕疵の修補義務が民法の規定と比べ追加されています。

4.ご相談

マンション・住宅の欠陥・瑕疵、手抜工事に関する法律問題、マンション管理その他不動産関連の訴訟・紛争解決に関するご相談は、多数の訴訟実績と組織力、機動力を誇る日比谷ステーション法律事務所にご連絡ください(03-5293-1775)。