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2017/03/01 日比谷ステーション法律事務所の弁護士名を騙った詐欺にご注意ください
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ビジネス契約書は作成から弁護士に依頼すべきか?

2016.06.01

 弁護士の宮澤です。

 インターネット上には様々な契約書の書式があふれており,無料でダウンロードできるものも少なくないため,それをもとに自ら契約書を作成する会社も多いように思われます。もっとも,専門家が関与せず自作した契約書をそのまま取引に用いるのは,後述する契約書の目的からすれば決してお勧めできません。とはいえ,一から弁護士に作成を依頼するのは,コストが割高になるのが通常です。そこで,作成した契約書のチェックを弁護士に依頼し,ブラッシュアップするという方法が,コストとクオリティの両立という観点からはお勧めで,実際,私が携わらせていただいた契約書に関する業務も,一度会社で作った契約書や,取引の相手方から提案された契約書をチェックするというものがほとんどでした。

 先日,IT系のベンチャー企業から,契約書の作成業務のご依頼を受けましたが,当初は,上記のとおりコストの観点から,一度作成したものをこちらでチェックするという方法をご提案しました。ところが,ビジネスモデルについて詳しくお話をうかがったところ,新規性が高く,もとになりそうな書式も見つけるのが難しそうでした。その旨お伝えしたところ,多少コストがかかっても作成を頼みたいとのご意向でした。そこで,ヒアリングしたビジネスモデルを実現するための契約書の作成に着手したのですが,当初の打合せの際に検討していなかったリスクが見つかり,これに対する手当ても盛り込んだ内容で仕上げ,運用面でのアドバイスも併せて行ったところ,大変満足いただけたようでした。

 そもそも,契約書を作成する目的は,紛争が生じた際,裁判等で当方に有利な結論を導く証拠とするためですが,上記のようにビジネスに潜むリスクを想定した契約書を作成し,適切に運用することで,紛争そのものを未然に防げるという効果があります。上記のとおり,自作した契約書に弁護士のチェックを受けるという方法でもこの目的は相当程度達せられるものと思われますが,今回のご依頼のように,特に新規性の高いビジネスモデルに関する契約書については,作成から依頼することで,会社が想定していなかったリスクについて検討するきっかけとなることも期待できます。

 紛争は,早期に解決するほどコストが小さくなる傾向がありますが,ベストなのは未然に芽を摘んでしまうことです。上記のように,コストは割高になりますが,クオリティの高い契約書により紛争を予防できるとすれば,ビジネスの規模にもよりますが,初期投資として決して高い買い物ではなく,十分検討に値するといえるでしょう。

弁護士 宮澤 勇作