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ブログブログ

最高裁平成26年7月17日第一小法廷判決 親子関係不存在確認訴訟について 2 ~真実を明らかにすることの重み~

2014.09.01

日本及びニューヨーク州弁護士の川勝明子です。

今日から9月になりましたね。最近,時が経つのがあっという間な気がします。急に秋めいてきて,体調を崩しやすい季節の変わり目ですが,うがい手洗いをしっかりして体調管理に気をつけたいですね。

さて,2014年7月25日のブログ記事「最高裁平成26年7月17日第一小法廷判決親子関係不存在確認請求事件について」に続き,同判決の背景事情,実務上の運用,これまでの最高裁判例との整合性,残された問題などについて,もう少し整理してみたいと思います。

第1 なぜ親子関係不存在確認訴訟を提起しなければならなかったのでしょうか

1.問題の背景~嫡出推定制度と出生届の問題~

子どもが生まれた場合には,届出義務者が出生の届出をしなければなりません。出生の届出義務者は,「嫡出子」の場合には父又は母(ただし,子の出生前に父母が離婚した場合には母が)で,「嫡出でない子」の場合には母になります(戸籍法49条1項,52条)。

出生届

「嫡出子」とは婚姻中の夫婦の間に生まれた子を指すところ,出生届上,父母との続き柄という欄に「嫡出子」と「嫡出でない子」の区別があります。また,生まれた子の父と母という欄に,父と母を記載する必要があります。しかし,生まれた子が,夫以外の男性の子であるとき,どのように届け出ればいいのでしょうか。

この点,現行法上,母親は婚姻中に生まれた子どもを,夫以外の男性の子として届け出ることはできません。そのため,夫の嫡出子として届け出るしかありません。

なぜなら,戸籍は,法律上の親子関係を公証するものですから,出生届書には,法律上の親子関係のある父母を記載する必要があります。子の父母が婚姻している場合には,夫を父,妻を母とする出生届書を提出すれば,出生の届出が受理され,子が戸籍に記載されます。ここで,子の血縁上の父が夫とは別の男性である場合には,法律上の父と血縁上の父とが異なることになりますが,市区町村の戸籍窓口においては,出生した子の法律上の父が血縁上の父と同一か否かという実質的な審理はできませんから,血縁上の父を父とする出生届書を提出しても,出生の届出は受理されません。

その背景にあるのは,民法上の嫡出推定制度です。民法772条1項は,「妻が婚姻中に懐胎した子は,夫の子と推定する」と定め,さらに2項は,「婚姻中に懐胎した」ということの証明を容易にするため,婚姻成立の日から200日を経過した後,または婚姻の解消・取消しの日から300日以内に生まれた子を,婚姻中に懐胎したものと推定する旨の規定を置いています。なお,この期間は,標準的な懐胎期間を考慮したものです。

嫡出推定制度においては,このような推定が及んでいる子は,実際の血縁関係の有無にかかわらず,法律上も母の夫の子(夫婦が離婚した場合には,元夫。)として扱い,(元)夫の子であることを否定するためには,下に詳しく述べるような裁判手続によらなければなないとされています。

この制度により,妻Aと夫Bの婚姻中の子であるDは,夫Bの子と推定されるため,子の血縁上の父と夫Bが異なるときであっても,子どもの出生を届け出て,戸籍に記載するには,子どもを夫Bの子どもとして届け出るしかありません。

嫡出推定に関する現行民法の規定は,明治31年に施行された旧民法の規定と基本的には変わっていませんが,明治時代にはなかった,血液型鑑定や,DNA型鑑定といった科学技術の発展によって,生物学上の父子関係を科学的かつ客観的に明らかにすることができるようになり,「血縁上の父子関係」と「法律上の推定が及ぶ父子関係」が矛盾する事態が生じることがあるようになりました。

そこで,このような科学技術の進歩や社会の変化に民法は対応できていないのではないかという疑問の声があがっています。

今回,父子関係が争われた札幌・大阪のどちらのケースも,訴訟の当事者の子どもたちは,現在,それぞれ,血縁上の両親と2年半~3年半,一緒に生活し,血縁上の父親を「お父さん」と呼んでいるそうです。

他方で,生まれた当時,子どもたちは,それぞれ,母親とその(元)夫の子どもとして届け出られ,(元)夫は子どものために保育園の行事に参加するなどして,子どもを監護養育していました。(元)夫は,「親子の絆」とは,血縁関係だけではなく,共に生活する過程において親が子に愛情を注ぎ,信頼関係を築くことだと思うとし,「命名も含めて,連日の寝不足も楽しくて仕方ありませんでした。子どもは私にとても懐いていました」と振り返り,「生物学的親子鑑定を重視し,それまであった親子関係を剥奪することは人権侵害」と述べていました(【父子DNA型鑑定訴訟】「私と子どもには親子の絆ある」法律上の父がコメント発表-MSN産経ニュース)。

問題の背景には,DNA検査の精度が上がったというだけではなく,それが一般の人にも身近かつ手頃にできるようになったということ,さらに,それぞれ様々な事情があるでしょうが,婚姻中や,離婚後300日以内に(元)夫以外の男性の子を出産するということがさほど珍しくなくなったということもあるのかもしれません。

2.嫡出推定制度はなぜ必要か。

そもそも,嫡出推定制度はなぜ必要であったかということについて触れると,血縁上の母子関係は,通常は分娩の事実から明らかであるのに対し(もっとも近年は,生殖補助医療分野の進歩により,解釈が分かれる場合があり,この点については2014年8月22日のブログ記事「日本で代理母出産をすることは許されるか」参照),血縁上の父子関係は,必ずしも明らかではありません。しかし,夫婦の間に生まれた子は,血縁上も夫の子であることが通常であるという経験則を背景として,民法は,妻が婚姻中に懐胎した子は,夫の子とする嫡出推定規定をおきました。

さらに,(元)夫の子であることを否定するには,「嫡出否認の訴え」と呼ばれる裁判手続きによらなければならず(なお,訴えを提起する前に,まずは調停を申し立てることになります。),申立てをすることができるのは,(元)夫のみで(民法774条),申立てをすることができる期間は,(元)夫が子の出生を知ってから1年以内に限定されています(民法777条)。

つまり,嫡出推定制度は,「嫡出否認の訴え」の提訴権者と提訴期間を制限し,血縁関係の有無に関わりなく,夫以外誰も法律上の父子関係を否定することができないものとすることによって,法律上の父子関係を早期に確定するとともに,家庭のプライバシーを守りながら家庭の平和を尊重し,子の福祉を図ろうとする制度であると説明されています。

こうして,嫡出推定に関する民法772条は,強力な推定規定となっています。

仮に,嫡出推定制度が存在しなければ,法律上の利害関係を有する者であれば誰でも,またいつまでも,親子関係不存在確認訴訟などの形で,法律上の父子関係を争うことができることになってしまいます。例えば,長年,父の子として生活してきたにもかかわらず,父が死亡した後になって,他の相続人から,父の子であることを否定されるといった事態もあり得ることになります。さらに,不倫相手の男性から,子の血縁上の父は母の夫以外の男性であるという主張がされることにもなり得ますが,このような争い方を認めることは,その主張の真偽に関わらず,それ自体が家庭内の平穏とプライバシーを害するものであり,これによって家族関係が崩壊するといった事態も招きかねません。

このように,嫡出推定制度は,子の福祉を図るために合理的で必要な制度と考えられています。

なお,「嫡出否認の訴え」について,詳しくは,2013年3月17日のブログ記事「嫡出推定と嫡出否認の訴え~後から自分の子どもじゃないとわかった場合に,親子関係をなしにできるのか?~」をご覧になってください。

第2 「推定の及ばない子」という例外カテゴリーと親子関係不存在確認訴訟

上記のように,「嫡出否認の訴え」は提訴権者の制限,提訴期間の制限がありますが,提訴期間の制限を過ぎてしまったような場合でも,(元)夫を含む関係当事者が,妻の産んだ子が夫の子でないことを認めているような場合,家庭裁判所で「合意に相当する審判」により,嫡出性を否定する審判がなされています。

また,合意ができない場合でも,裁判手続において嫡出推定が及ばない事情が証明されれば,嫡出否認の訴えによることなく,「親子関係不存在確認訴訟」によって,(元)夫との父子関係を争うことが可能とされています。

「嫡出否認の訴え」とは異なり,民法には,「親子関係不存在確認訴訟」についての規定はありませんが,(嫡出)「推定の及ばない子」について,このような訴訟が可能であることは判例によって認められ,2003(平成15)年に制定された人事訴訟法は,「人事訴訟」の中にこれが含まれることを明記しました(人訴法2条2号)。

どのような場合に嫡出推定が及ばない事情があるといえ,親子関係不存在確認訴訟が提起できるかについて,最高裁は,「妻が子を懐胎すべき時期に,すでに夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ,又は遠隔地に居住して,夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合」と判示しており,一般的には,母の懐胎時に外観上婚姻の実態がない場合をいうと解されています。

第3 親子関係不存在確認訴訟に関する過去の最高裁判例

最高裁は,夫が戦争で長期間出征していた間に妻が懐胎したとみられる子につき,嫡出推定が及ばないとしました(出生後40年以上経過してから父親の養子から提起された親子関係不存在確認訴訟であるが,権利の濫用に当たると認められるような特段の事情は存しないとして認容した)(最判平成10年8月31日家月51-4-75)。

これに対して,事実上の離婚の事案での「推定の及ばない子」の認定には慎重な態度をとっていることをうかがわせました。

すなわち,夫婦が子の出生の9ヶ月前から別居していた事案で,別居後も性交渉があったほか,子の出生前に婚姻費用の分担や子の出産費用の支払について調停が成立していることから,婚姻の実態が存しなかったことが明らかであったとまではいえないとして,提訴期間経過後になされた夫からの親子関係不存在確認訴訟を退けています(最判平成10年8月31日家月51-4-33)。

第4 本判決

本件においては,子は夫以外の男性Cと生物学上の父子関係を有し,夫Bとはその関係を有しないことが,証拠上科学的に確実でした。しかし,上記のような制度やその運用を前提とすると,夫Bから嫡出否認の訴えが提起されなかった結果,また夫Bが父子関係の解消に同意しない状況で,前述の合意に相当する審判も成立の見込みがないため,もし親子関係不存在確認の訴えが認められないとすれば,子どもは,夫Bとの法律上の親子関係を解消することはできず,Cとの間で法律上の実親子関係を成立させることができない,という状況でした。

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このような状況の中で,妻Aが子の法定代理人として提起した親子関係不存在確認の訴えに対して,一審,二審では,DNA鑑定の結果と,子どもが現在,血縁上の父と同居し,血縁上の父を「お父さん」と呼んでいるといった状況を重視して,法律上の「父子関係の取り消し」を認める判決を下しました。

しかし,本最高裁は,このような一審,二審判決とは異なり,「本件訴えを却下」しました。

そもそも,民事訴訟で裁判所が受理した訴訟について,原告が負ける場合に,裁判所の判断には「却下」と「棄却」の2種類あります。申立自体がそもそも不適法であるとして、請求内容の当否、理由の有無を判断しないで、門前払いをするのが「却下」で,審理の結果、提訴に理由がないとして請求などを退けるのが「棄却」です。なお,「却下」の場合は,その後事情が変わって申立てが適法になれば,再び訴訟を提起すること(「再訴」といいます。)を妨げられません。

前述のように,妻が婚姻中に懐胎した子に関する親子関係確認訴訟は,例外的に認められるものであるため,本件でもまずこの訴えの適法性が検討されたところ,最高裁は本件訴えは適法ではないとして門前払いしました。これにより,子どもが夫Bとの父子関係を解消する道は絶たれてしまいました。

もっとも,この結論は,3対2の僅差で,5人の最高裁判事の間でも判断の分かれる難しい問題であったということが分かります。

多数意見は,札幌・大阪,いずれのケースも,母親が子どもを懐胎した当時,母親はそのとき婚姻中の元(夫)と一緒に旅行したり,同居を続けていたから,既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ,又は遠隔地に居住して,夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情はなかったこと,また,本件の事情の下でも,嫡出推定制度の趣旨である子の身分関係の法的安定を保持する必要が当然になくなるものではないとして,先の最高裁判例の基準に則り,原告の訴えを却下しました。

山浦善樹裁判官は,「特に本件のように,年齢的にみて子の意思を確認することができない段階で,これまで父としての自覚と責任感に基づいて子を育ててきた上告人(夫)の意思を無視して,DNA検査の結果に基づき,子の将来を決めてしまうことには躊躇を覚える。」と述べ,夫の父親としての権利に配慮している点が注目されます。

また同裁判官は,「科学技術の進歩に応じ,その効果的な利用が必要であることはいうまでもないが,DNAは人間の尊厳に係る重要な情報であるから決して濫用してはならない。たまたまDNA検査をしてみた結果,ある日突然,それまで存在するものと信頼してきた法律上の父子関係が存在しないことにつながる法解釈を示すことは,夫婦・親子関係の安定を破壊するものとなり,子が生まれたら直ちにDNA検査をしないと生涯にわたって不安定な状態は解消できないことにもなりかねない。このような重要な事項について法解釈で対応できないような新たな規範を作るのであれば,国民の中で十分議論をしたうえで立法するほかない。」とも述べ,原告の訴えを認めた場合の他への影響について慎重な態度をみせています。

多数意見は,要するに,全体としての法的安定性を重視し,解釈による個別例外的対応ではなく,立法により解決するべき問題であるという判断でした。

ちなみに,代理母出産の問題に関する最高裁判例平成19年3月23日の判決でも,ボランティア精神で代理母になった女性とその夫は,生まれた子どもを自分の子とする意思も養育する意思もなく,他方,卵子を提供した女性とその夫は出産後すぐに子どもを引き取り,養育を始めていたという状況で,血縁上だけではなく,子の現状に照らして親子の実態が形成されていたという状況でしたが,最高裁は,現行民法の解釈上,懐胎,出産していない女性との間に,母子関係の成立を認めることはできないとし,代理母出産のように現行民法が想定していない事態に対しては,立法による対応しかないとして,母子関係を認めませんでした。

しかし,これに対して反対意見は,民法が時代に合わなくなってきていることを正面から認めるだけではなく,関係当事者の権利利益を重視し,本事案解決の具体的妥当性を追求しようとしました。

反対意見では,血縁関係のある父Cが分かっており,その父Cと生活しているのに,法律上の父が(元)夫Bであるという状態が継続することが自然な状態であるか,安定した関係といえるかと疑問を呈し,①DNA検査等の結果科学的証拠により生物学上の父子関係の不存在が明らかになったことに加えて,②法律上の父との家庭が既に破綻して子の出生の秘密が露わになっている場合,さらに,①及び②の要件に加えて,③生物学上の父との新しい家庭が形成されていること又は生物学上の父との間で法律上の親子関係を確保できる状況にある場合には,嫡出推定規定制度の保護法益を害することには成らず,親子関係不存在確認訴訟が認められるとする考え方を採りました。

特に,金築誠志裁判官は「Cと親子になりたければ,養子縁組をすればよいという意見もあるが,法的な効果に変わりはないとしても,心情的には実子関係と異なるところがあろう。血縁関係のないBとの法律上の父子関係が残るということも,子の生育にとって心理的,感情的な不安定要因を与えることになるのではないだろうか。さらに,Bとの法律上の父子関係が解消されない限り,Cに認知を求めるという方法で,子が自らのイニシアチヴによりCとの法律上の父子関係を構築することはできないのであって,Bに対する親子関係不存在確認の訴えを認めないことは,子から,そうした父を求める権利を奪っているという面があることを軽視すべきでないと思う。」と述べ,子の心理・安定した生育環境に配慮を見せ,妥当な解決を図ろうとする姿勢が印象的です。

第5 残された問題

DNA型鑑定で,前夫が子どもの父親ではないと明らかになった状況の下でも,最高裁多数意見は,前夫との間に「法律上の父子関係」は維持されるとの判断を下しました。この訴訟を提起した時,子どもはまだ2歳~3歳ですから,そこに自分の意思は介在していないでしょう。しかし,その先成長して,「血縁上の父」と,「法律上(戸籍上)の父」が異なることに気付くことになった時の驚き,ショック,当惑は想像にかたくありません。

本判決に対して,家族の実態と乖離し,子どもに2人の父親が存在する結果を招き,子どもの将来への配慮に欠けた結論だといった批判がありますが,このような批判もやむをえないと思います。

他方で,前述のように,嫡出推定制度自体は,子どもが生まれた段階で,法律上の父子関係を早期に確定させ,家庭の平和を維持し,子の福祉を図るために合理的で必要な制度です。様々な人間関係が同時並行的に行われる中で,基準を明確にし,解釈で例外を多く認めるのも限界があります。また,夫のDVなどが背景にあり,「合意による審判」が期待できない状況の中,元の夫の嫡出子になってしまうことを避けるために,そもそも出生届を出さず,結果として「戸籍のない子」となってしまう無戸籍児問題が既に社会問題となっています。さらに,医学の進歩は著しく,生殖補助医療の分野においても,様々な新しい技術が開発され,実施されています。これに伴い,従来では想定できなかった様々な法律問題が生じています。

このような問題は,民法の制定当時には,想定されていなかったものですから,それに関し,現行法の解釈として裁判所が個別具体的に解決するのには限界があります。

身分関係,中でも実親子関係の成否は,社会生活上の関係の基礎となるものですし,子の福祉,法律上の父親の利益,血縁上の父親の利益,プライバシー等に関する妻の側の利益が絡む,非常に難しい問題です。

このような問題の解決のためには,多面的な観点にわたる検討を踏まえた法の整備が必要です。この問題に対する世間一般の意識は統一されているとはいえませんが,社会的な合意に向けた努力をし,これに基づいた立法がされることが望まれます。

また,子がその出自を知ることの利益の一方で,逆に,出自を知らないことの利益もあるでしょう。真実を知ることがいいことばかりなのか,考えざるを得ません。

今回の判決は,DNA検査を誰でも容易に利用できる現状に対し,最高裁が警鐘を鳴らしたという見方もありえるでしょう。鑑定によって家庭が壊れ,子どもに癒やせない傷を残してしまうかもしれません。

フランスの民事訴訟法の大家は,「真実とは,燃えている石炭のようなもので,この上ない慎重さがなければ扱いえないものである。」と述べたそうです(水野紀子「実親子関係と血縁主義に関する一考察――フランス法を中心に」星野英一先生古稀祝賀『日本民法学の形成と課題 下』(有斐閣,1996年))。

血縁上の親子関係を「安易に触れるべきではない」との意味で「燃える石炭」にたとえるフランスでは,裁判所の許可がない限り血縁をめぐる鑑定は禁じられ,ドイツでも家族全員の同意が必要とされています。日本でも,私的な鑑定を規制する法整備が必要なのではないかと思います。