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ブログブログ

そんなとこまで保険?~花火にも腹筋にも保険~

2014.08.13

弁護士の千葉貴仁です。

夏の風物詩といえば花火ですね。下の写真は、8月2日に行われた江戸川花火大会での写真です。当日は、発射台のすぐ近くで見ることができたので大迫力でした(ただ、花火の写真は難しいですね)。

江戸川花火

江戸川花火

保険のお話

さて、話は変わりますが、私たちの身の回りには、たくさんの保険が溢れています。1番身近な保険は、自動車保険かと思います。

ただ、自動車保険と一言で言っても、加入が法律(自動車損害賠償補償法)で義務づけられている自賠責保険(正式には自動車損害賠償責任保険)と、保険の加入が任意の任意保険があります。

さらに、任意保険といっても、車両保険、対人賠償保険、対物賠償保険、自損事故保険、無保険者傷害保険、搭乗者傷害保険、人身傷害補償保険、弁護士費用特約などさまざまなものがあります。

僕は、仕事として交通事故の案件を扱うことが多いのですが、被害者側で損害賠償請求をする場合には、加害者の任意保険会社と交渉しますし、被害者が弁護士費用特約を利用している場合には、被害者側の保険会社に事案の進捗状況等を報告しています。交通事故を扱うには保険に関する知識・経験が必要不可欠です。

損害保険もいろいろ

他にも、マンションを借りる際などに加入する「火災保険」、東日本大震災以降、注目を集めている「地震保険」、生産者が製造した製品の欠陥によって、他人の生命・身体に障害等を与えた場合の賠償責任を填補する「生産物賠償責任保険」(PL保険)、座礁・沈没・衝突などの海上危険によって船舶または貨物が被った損害を填補することを目的とした「海上保険」などがあります。

自動車保険と合わせて、これらの保険は、保険業法上「損害保険」(一定の偶然な事故による損害を填補する保険)に分類されます。

余談の余談

余談ですが(というかブログ全体が余談みたいなものですが)、僕を含め一般の方にとって海上保険はあまり馴染みのない保険だと思いますが、なぜ大手の損害保険会社の名前は「〇〇海上」となっているのでしょうか。

これは実は、近代的保険の起源が海上保険にあるからであり、東京海上日動火災保険株式会社も、もともとは「東京海上保険会社」という名前で、1879年に日本で初めて設立された海上専業の損害保険会社でした。同社のホームページにも掲載されていますが、保険は中世ヨーロッパで海上保険から始まり、また日本における海上保険制度の起源は、江戸時代初期に中国や東南アジア諸国との間で行われた朱印船貿易における「抛金」と言われています。江戸末期に西欧の保険知識を日本に紹介し、日本での本格的な海上保険制度の確立に強い影響を与えたのは福沢諭吉と言われています。

保険のいろいろな顔

損害保険以外にも、「保険」と言って思い浮かぶのは、「生命保険」や、「傷害保険」、「医療保険」、「疾病保険」など様々な保険があります。

長期の損害保険や生命保険のうち、掛捨型ではなく、積立型の場合、単なる保険としての側面だけでなく、解約返戻金の払い戻しを受けることができるという意味で預金と類似した側面を持っています。また保険料積立金等によって形成された保険会社の資産の運用による利益は、保険契約者配当として分配されますから(有配当契約の場合)、その意味では投資信託と近似した側面も併せ持っています。

このように現代社会において、保険は多様な側面を有しています。

保険会社も保険に入る~再保険~

保険事故が発生すれば、保険会社が被保険者(保険の対象となる人のことです)に保険金を支払うことになりますが、保険金額が莫大な額になる場合もあります。保険会社は、保険事故が発生する確率を予め計算して保険料を設定し保険を販売しますが、特殊な保険の場合、保険会社としても保険事故の発生確率を正確に読み切れず、また莫大な保険金の場合には、保険会社自体が大損を食らうことになります。

そうしたリスクを分散するために、保険会社自体が他の保険会社と保険契約を締結し、自社の損失を減少させるようリスクヘッジをすることがあります(これを「再保険」といいます)。保険会社が自社の保険で損をするときに備えて他の保険会社の保険を掛けるなんておもしろいですよね。

また余談ですが、1968年に東京都府中市で発生した、いわゆる3億円事件は、東芝の3億円(同社の従業員のボーナスに充てるお金)の現金輸送車が白バイ隊員に強奪された事件ですが、東芝は3億円の損失を受けてはいません。東芝はこの現金輸送に保険を掛けていたため、3億円は保険金で補填され、事件翌日には無事に従業員にボーナスが支給されています。

それだけでなく、実はその保険会社は、海外の保険会社に再保険を掛けていたので、東芝に保険金3億円を支払った保険会社は全く損失を受けず、日本国内に金銭的な意味での被害者は存在しません。再保険はこんな有名な事件でも活躍していたんです。

有名人の保険

CMに手だけ出演する手の綺麗なハンドモデルが、自分の手に、「怪我を負った場合には〇〇万円」という保険を掛けたという話を聞いたことがあります。

実際、海外の話ですが、サッカーの元イングランド代表デイビッド・ベッカムやポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドは自分の足に保険を掛けたり(ベッカムは保険金7000万ドル、ロナウドは9000万ポンド)、ジェニファー・ロペスがお尻に3億ドルの保険を掛けたりしているのは、有名な話ですよね。

ベッカムらと並べて書いてよいものかわかりませんが、つい最近、小島よしおが腹筋に1億円の保険を掛けたというニュースを見ました。保険会社は、腹筋に発生しうる保険事故の発生確率をどのように算定し、保険料をいくらに設計したのか興味があります。

花火大会にも保険

また、冒頭で江戸川花火大会の花火の写真を載せましたが、8月12日の東京湾大華火祭は台風第11号の影響で中止になりましたね。実は、花火大会のような企画・製作等を行った興業(イベント)が、偶然な事故により中止となった場合の損害を補償する保険も、「興行中止保険」という商品名で、大手の損害保険会社から販売されています(「花火」、「保険」でググるとすぐにヒットします)。ホントこんなところまで保険があるのかと、正直びっくりしました。

江戸川花火②

江戸川花火②

世の中、リスクのあるところにはどこでも保険が仕組まれているようです。このブログを書きながら、とても勉強になりました。

 千葉 貴仁