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キャラクターが写った写真はアップ不可?

2014.07.25

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世間では夏休みのシーズン到来です!皆様夏休みの予定はもうお決まりでしょうか?

夏休みになると遊園地やテーマパークに出かける人も多いかと思います。夏の思い出を写真に残し、フェイスブックやブログにアップロードするのも楽しみの一つでしょう。

 しかし、テーマパークでの写真撮影には著作権の思わぬ落とし穴が存在し、注意しないと楽しい思い出が一転して嫌な思い出に変わってしまう可能性もあります。

キャラクターの写真を撮影すること自体は「私的複製」として適法

あなたが千葉県にある有名なテーマパークに遊びに行き、その際、世界的に有名なネズミさんを自分が持っているカメラで撮影したとしましょう(有名なネズミさんのお名前は伏せることにします)。かの有名なネズミさんはれっきとした著作物であり、しかもまだ著作権の期限が切れていませんので(実は過去に期限切れの危機を迎えたのですが、アメリカ国内の立法により「延命」された経緯があります。余談ですが。)その姿を撮影することは著作物の「複製」に該当することになります(著作権法において「複製」とは、「印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製すること」をいいます)。

もっとも、著作物の複製については、「私的複製」の範囲であれば自由に複製して良いというルールがあるため、自分や家族で楽しむ範囲であれば、ネズミさんの写真を撮影しても著作権の侵害にはなりません。楽しい思い出作りのためにどんどん写真を撮りましょう。

「私的複製」ルールはインターネットへのアップロードには適用されない

 ところが、ネズミさんの写真をフェイスブックやブログに掲載するとなると、これは「複製」を通り越して「公衆送信」という類型の行為となるため、「私的複製」として適法になると考えることはできません。

それでは、ネズミさんを撮った写真はネット上にアップできないのか?あるいは、ネズミさんを狙って撮ったわけではなく、家族の写真を撮ったら偶然ネズミさんが背景に写ってしまった場合にはどうなのか?

従来この点を巡っては、「軽微な写り込みを著作権侵害と考えるべきではない」、「わざとじゃなければいいじゃないか」などの声が強く、一定の範囲では著作権侵害とならないものとするべきとの見解が主流でしたが、それを基礎付ける法律が十分に整備されていない状況にありました。

 しかし平成24年6月20日成立、同月27日に公布された「著作権法の一部を改正する法律(平成24年法律第43号)」によって著作権法第30条の2が新設され、この問題の解決がなされました。

平成24年の著作権法改正により新設された著作権法第30条の2

新設された著作権法第30条の2を少し長いですが紹介しておきます。

第1項

写真の撮影、録音又は録画(以下この項において「写真の撮影等」という。)の方法によって著作物を創作するに当たって、当該著作物(以下この上において「写真等著作物」という。)に係る写真の撮影等の対象とする事物又は音から分離することが困難であるため付随して対象となる事物又は音に係る他の著作物(当該写真等著作物における軽微な構成部分となるものに限る。以下この条において「付随対象著作物」という。)は、当該創作に伴って複製又は翻案することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該複製又は翻案の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

第2項

前項の規定により複製又は翻案された付随対象著作物は、同項に規定する写真等著作物の利用に伴って利用することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

上記の条文を一読してその内容を理解することは難しいと思いますが、誤解を恐れず簡単に説明すると、

  1. 写真撮影・録音・録画の際に
  2. 目標となる被写体等と分離困難であるため写り込んだり音が入り込んでしまうもので
  3. 写り込みや音の入り込み部分が軽微な構成部分となるもの

については、他人の著作物であっても利用することができる、ということを著作権法第30条の2は言っています。

著作権法第30条の2第2項は「付随対象著作物を」「利用することができる」と規定していますので、私的複製と異なり「公衆送信」もカバー範囲に含まれますから、上記の条件を満たす限り、写真をフェイスブックやブログにアップすることができます。

テーマパーク内で家族や友達の写真を撮影したらたまたま後ろの方にネズミさんが写り込んでしまった場合の写真は著作権法第30条の2によって適法にアップすることができるということになります。安心ですね。

ネズミさんメインの写真はアウト!

 もっとも、著作権法第30条の2で認められているのは、2.分離困難で、3.軽微な構成部分となるものに限られますから、ネズミさんと一緒に撮った家族写真や、ネズミさんがあんまり大きく写り込んでいる写真などは、勝手にネット上にアップロードすることはできません。

うっかりアップロードすると夢の国の管理者から削除依頼の連絡が来る可能性がありますので、十分ご注意下さい。