メニューを開く  メニューを閉じる
2017/03/01 日比谷ステーション法律事務所の弁護士名を騙った詐欺にご注意ください
Google+
ブログブログ

カフェのBGMにCDを使うと著作権侵害に!

2014.04.24

 カフェのBGMに市販のCDを流す・・・

カフェでコーヒーを飲みながら寛いでいる。店内には気の利いたBGMが流れて・・・。

EH097_L

街中にありふれた光景かと思いますが、カフェのBGMの音源が市販のCDである場合、著作権侵害の可能性があります。 

なぜBGMにCDを使うと著作権侵害なのか?

CDに収録されている楽曲は、作詞者や作曲者の著作物であり、作詞者や作曲者自身あるいは所属事務所、作詞者・作曲者から著作権の譲渡等を受けたレーベル等に著作権が帰属しています。

著作権は様々な権利の集合体なのですが、CDに収録されている楽曲については、「演奏権」(著作権法第22条)という権利があり、公衆に楽曲を聴かせることを目的として楽曲を演奏したりCDを再生する権利は著作権者に帰属しているのです。

そのため、著作権者の許可なく公衆に聴かせる方法でCDを再生することは、著作権者の演奏権を侵害する行為となるのです。

AD055_L

お金を払ってCDを買ったのに?

これに対しては、「お金を払ってCDを買ったのに自由に音楽を流してはいけないなんておかしい!」という反論があるかと思います。

もちろん、個人が自宅でCD鑑賞をすることは「公衆に」聴かせることを目的としていませんから演奏権の侵害にはなりません。

しかし、買ったCDだからといって誰に聴かせてもいいとすれば、極端な話ですが誰かが1枚CDを買ってあちこちで再生して回ることによって、多くの人がそのCDを買わなくても音楽を鑑賞できてしまうことになり、CDの売上げは大きく落ち込むかもしれません。

市販のCDは買った人が個人的に鑑賞することを目的として制作されたものであり、公衆に聴かせることまでは本来予定されていないのです。

音楽でお金をとっているわけではないのに?

また、このような言い分があるかもしれません。

「うちのお店ではBGMとして音楽を流しているだけで、別に音楽を聴かせてお金をとっているわけじゃない。営利目的で音楽を流していないのに著作権侵害なのか?」

この言い分については著作権法第38条第1項がその答えを用意しています。

著作権法第38条第1項は次のように定めています。

「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもってするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。」

 一見この条文を読むと、「ほら営利目的じゃないなら自由に音楽を流していいんじゃないか!」と思われるかもしれません。

しかし、少し専門的で難しい話になりますが、「営利を目的」という文言については、著作物の利用による直接的な営利の促進に限定して解されるものではなく、間接的な営利的効果を目的とする利用行為も含むものと解されており、デパートでのBGMや会社のオフィス内でのBGMなど営利性のある場での利用を広く含むものなのです。

そのため、カフェでのBGMも、カフェが営利事業である以上「営利を目的」としたものとなるのです。

よくある誤解

インターネット上の情報などで散見される誤解として次のようなものがあります。

「ジャズ喫茶のような音楽鑑賞を目的としたお店以外の飲食店でBGMとしてCDを流すのは例外的に許されている。」

実はこのような誤解にも一応の根拠があります。

著作権法は、1970年に改正されて現在の形(新著作権法)となりましたが、それ以前に存在した旧著作権法の下では、録音物による再生演奏は、出所さえ明示すれば(レコード製作者や著作者名を明らかにすれば)、自由に使うことが許されていました。

1970年に旧著作権法が改正され新著作権法になった際、録音物の再生演奏についての改正も議論されたものの、結局、放送・有線放送での利用だけに著作権の保護が及ぶこととなり、その他の利用については経過措置として著作権法附則14条により著作権は制限を受けることとなりました。

著作権法附則14条は、次の3種類の利用形態についてのみ著作権による制約が及ぶこととし、それ以外の利用、例えば一般飲食店での録音物のBGM利用については著作権の制約なしに無料で自由に利用できることとしていたのです。

  1. 音楽喫茶など音楽を鑑賞させる営業
  2. 客にダンスをさせる営業
  3. 音楽を伴う演劇、演芸、舞踊など芸能を見せる事業

著作権法附則14条は、1999年に国会で同条の廃止が決議されたことにより消滅しました。

そのため現在では、原則に戻り、カフェなどの一般飲食店でCDをBGMとして流す場合であっても著作権侵害の問題が発生することとなっています。

 著作権侵害にならないようにBGMを流すには?

著作権侵害にならないようにするには、著作権者の許諾を得ることが必要です。

もっとも作詞・作曲者が著作権者とは限りませんし、どのように著作権者に連絡すれば良いか分からないことも多いと思います。

多くの楽曲についてJASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)という団体が著作権者から著作権の管理を委託されて楽曲使用許諾事務を行っているため、JASRACで管理されている楽曲についてはJASRACと使用契約を結ぶことで適法にBGM利用が可能となります。

ただし、BGMに利用しようとしている楽曲が必ずしもJASRACで管理されているとは限りません。JASRACで管理していない楽曲の利用についてはJASRACと契約しても適法に利用できませんので注意が必要です。

EH114_L