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ブログブログ

入学金は返ってこないのか?

2014.04.02

 

東京でも桜が咲き,すっかり春らしくなりました。

進学,就職等,この春から新生活が始まる方もたくさんいらっしゃることでしょう。

 

そこで,今回は「入学」にスポットを当て,「入学手続き後に,諸事情(第1志望校への合格等)により入学を辞退した場合,すでに納めた入学金や授業料等を返してもらえるか」という問題について取り上げてみたいと思います。(以下では,入学金や授業料等を「学納金」ということにします。)

 

かつては,「いったん納付された学納金はいかなる理由があっても返還しない」と定める大学が相当数あったようです。

これに対し,入学を辞退した納付者側からは「入学していないのに入学金を返してもらえないのはおかしいのではないか」という声が上がっていました。

特に,平成13年4月1日に消費者契約法が施行されて以降,学納金の返還を求める多数の訴訟が提起されました。

 

そのような中,最高裁判所は,A大学の平成14年度一般入試に関する学納金返還請求訴訟において,概ね以下の通りの理由を示し「入学金の返還は不要。授業料等の返還は必要。」との判断をしました(最高裁平成18年11月27日)。

①  大学入試の合格者が納付する入学金は,特段の事情のない限り,合格者が当該大学に入学し得る地位を取得するための対価としての性質を有する。

②  大学入試の合格者が当該大学に入学し得る地位を取得するための対価としての性質を有する入学金を納付した後に入学を辞退しても,大学は入学金を返還する義務を負わない。

③  大学入試の合格者と大学との関係(在学契約又はその予約)は,消費者契約法2条3項所定の消費者契約に該当する。

④  入学辞退の申し出が入学年度が始まる4月1日の前日である3月31日までにされた場合には,原則として,大学に生ずべき消費者契約法9条1号所定の平均的な損害は存在しないので,同号により納付済みの授業料等を返還しないとの特約は無効になる。

 

上記の判決は,「大学」の「一般入試」に関する学納金返還請求に関するものですが,大学に類似する各種専門学校等における学納金についても,参考になるものと思われます。

 

上記最高裁判決の影響もあってか,現在では,「入学金以外の学納金を返還する」と定めている学校が多いようです。

また,入学金も返還する旨の定めをおいている学校も存在するようです。

 

そうはいっても,学校ごとに特約の内容や手続きは様々です。

学納金納付後に入学を辞退したことがある方は,もう一度,当時の募集要項等を確認してみてもよいかもしれません。