メニューを開く  メニューを閉じる
2017/03/01 日比谷ステーション法律事務所の弁護士名を騙った詐欺にご注意ください
Google+
ブログブログ

「アンパンマン」映画を有料で上映した父子逮捕~著作物の「上映権」とは?~

2014.03.29

「アンパンマン」映画を有料で上映した父子逮捕

一月ほど前に遡りますが、こんなニュースがありました。

やなせたかしさんの人気アニメ「それいけ!アンパンマン」の映画を無許諾で有料上映していたとして、大阪府警豊中南署は2月27日までに、大阪府内の自称映画興行者の父子を著作権法違反の疑いで逮捕した。

逮捕された父子は、映画配給会社から借金の担保としてアンパンマンの映画フィルムを入手したとしており、「どう使おうが勝手だ」などと逮捕容疑を否認しているとのことです。

逮捕された父子が本当に映画配給会社から借金の担保としてアンパンマンの映画フィルムを入手したかどうかは分かりませんが、仮に映画フィルムを適法に入手していたとしても、著作権者の許可なく映画を有料で上映することは著作権の中の「上映権」の侵害となり得ます。

著作物の「上映権」とは

 「著作権」という言葉を知らない人はあまりいないかと思いますが、「上映権」という言葉を聞いたことがある人は結構少ないんじゃないかと思います。

そもそも「著作権」とよく言われますが、「著作権」という権利は複数の権利の総称であり、実際には「著作権」の中には様々な権利が存在します(そのため著作権は「権利の束」と表現されることもあります)。

例えば著作権の中で一番メジャーなのは「複製権」でしょう。

これは読んで字のごとく、著作物を複製(コピー)する権利です。

この複製権が著作権の中で一番メジャーであるため、英語では著作権のことを「copyright(コピーライト)」と呼びます。

著作権の中には複製権の他にも、「上演権」、「演奏権」、「公衆送信権」、「展示権」、「貸与権」、「翻訳権」・・・etcとたくさんの権利が含まれていますが、その中の一つに「上映権」があります。

 「上映権」とは、著作物をスクリーンやディスプレイ画面に映写することにより公衆に見せる権利のことをいい、第三者が著作権者の許可なく著作物を上映することは、この上映権」を侵害する行為となる可能性があります。

 無料上映なら上映権を侵害しないが・・・

 さて、例えばあなたがお店で買ってきた映画のDVDの上映会を自宅で開催し、集まった友達から鑑賞料として一人100円を徴収したとしましょう。

これは映画の著作権侵害となるでしょうか?

答えは「著作権(上映権)侵害となる」です。

お店で販売されている映画のDVDは家庭で鑑賞するなどのプライベートな利用を目的として販売されているものですので、有料での上映を許諾して販売しているものではありません。

そうすると、DVDを買ったからといって第三者に対する有料上映の権利までも取得したということにはなりません。

そして、著作権法第38条第1項は「営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、・・・上映・・・することができる。・・・」と定めており、無料での上映であれば著作権者の上映権を侵害しないこととしていますが、鑑賞料を徴収する場合には同条の条件を満たさないため、上映権の侵害が成立するのです。

 冒頭で紹介したニュースの父子も「どう使おうが勝手だ」と主張しているようですが、著作権法の解釈としては通らない主張と思われます。

著作権は権利の種類も前述の通り多岐にわたり解釈も複雑ですので、皆さんも思わぬ著作権侵害をしてしまわぬよう注意しましょう。