メニューを開く  メニューを閉じる
2017/03/01 日比谷ステーション法律事務所の弁護士名を騙った詐欺にご注意ください
Google+
ブログブログ

ドン・キホーテ、AKB48運営会社を提訴~裁判のポイントは?~

2014.03.24

ドン・キホーテ、AKB48運営会社らを提訴

3月21日(金)の朝日新聞デジタルのニュースによると、人気アイドルグループAKB48のメンバーが登場するパチンコ台をめぐり、ディスカウントストアのドン・キホーテが、AKB48の運営会社「株式会社AKS」とパチンコメーカー「京楽産業.株式会社」を相手取り、販売差し止めや50億円の賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こしたとのことです。

訴訟において、ドン・キホーテは「グループの草創期から支援してきたのに、グッズの独占販売権を侵害された」と主張し、AKS社と京楽産業はドン・キホーテの主張に対して争う姿勢をとっているようです。

ドン・キホーテが独占販売権を侵害されたと主張するのは、京楽産業が製造・販売する「ぱちんこAKB48」、「ぱちスロAKB48」の二つのパチンコ台ですが、京楽産業は公式サイト上で「当社はAKB48の商標権等を有している株式会社AKSから適法にライセンスを受けており、『ぱちんこAKB48』、『ぱちスロAKB48』の製造・販売について、全く問題がないと認識しておりますので、訴訟等においても毅然と対応していく方針です。」との公式見解を表明しています。

 独占販売権とは?

 ドン・キホーテが主張している「独占販売権」という権利ですが、法律そのものに「独占販売権」という権利が明記されているものではありません。

「独占販売権」というのは実務上の用語であり、商標権者やタレント等の肖像権・パブリシティ権を有する者(本来の権利者)との間でこれら商標権やパブリシティ権の利用について独占的に許諾を受ける契約を締結することによって、(1)自分は適法に商標やパブリシティを利用できる、(2)本来の権利者が第三者に商標やパブリシティの利用を許諾することはできない(第三者への許諾は契約違反となる)という権利状況を「独占販売権」があると表現しているのです。

裁判のポイントは・・・?

ドン・キホーテがAKS社の責任を追及するためには、AKS社がドン・キホーテに独占販売権を与えていたことを裁判で証明することが必要になると考えられますが、分析的にみると次の事実を証明することが必要となるでしょう。

  • AKS社と独占販売契約を締結した事実
  • 独占的利用許諾の対象に本件のパチンコ台が含まれていること

上記のうち、「AKS社と独占販売契約を締結した事実」については、AKS社との間で取り交わした独占販売に関する契約書を証拠として提出することで証明することになるものと思われます。もし契約書自体が存在しないということになれば(おそらくそのようなことはないでしょうが)、ドン・キホーテの訴えが認められる可能性は極めて低くなるでしょう。

上記二つ目の「独占的利用許諾の対象に本件のパチンコ台が含まれていること」の証明については、契約書文言の表現やその解釈を巡って双方の主張が激しく対立する可能性があります。

 独占販売契約書(独占的利用許諾契約書)を作成する場合、商標や写真画像等のパブリシティをどの範囲で利用することを許諾するか、またどの範囲で独占的な利用を許諾するかは非常に重要で、私たちが契約書作成に関与する場合とても慎重に検討する事項なのですが、世間に出回っている簡易な書式集などではこの点に関する配慮が不十分であり、契約当事者が希望している内容を十分にカバーできないのではないかと思われるものが多く存在します。

ドン・キホーテがAKS社と締結した独占販売に関する契約書の内容は不明ですが、ぱちんこ・パチスロ機器まで独占的利用許諾の対象としているものと解釈できる内容の契約条項となっているのかどうか注目されるところです。