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自転車事故の過失割合~どっちがどれだけ悪い?~

2014.02.09

弁護士の千葉貴仁です。

 一昨日の2月7日に、公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部から、『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 2014(平成26年)』(いわゆる「赤い本」とか「赤本」と呼ばれる本です。)が発売されました。この本はその名のとおり、交通事故訴訟の損害賠償額の算定基準ですが、訴訟前の交渉のベースにもなるものです(詳細については機会を改めて説明させて頂きたいと思います)。

 2月7日は日弁連会長選挙の投票日であったため、僕も弁護士会館に足を運んだのですが、会長選挙の投票のために弁護士会館に集まるたくさんの弁護士を狙って、最新の書籍が弁護士会館1階でブースを設けて手売りされていて、とても賑わっていました(昨日のような大雪の日とバッティングしなくてよかったですね)。今日は都知事選の投票日なので、今週末は2つの大きな選挙がありました(僕も午前中に都知事選の投票をしてきました)。

 弁護士会館で赤本を購入したので、事務所に戻ってからさっそくパラパラと赤本のページを捲ってみると、赤本の下巻(※赤本は上巻と下巻の二分冊です。)に、最近の自転車事故件数・訴訟事案の統計や過失相殺等に関する裁判官の講演録が収録されていました。ちょうど赤本発売日の3日前(2月4日付)のブログで、自転車事故の危険性と保険の必要性等について書かせて頂いていたので、結果的にタイムリーな投稿でしたね。

裁判所も注目している自転車加害事故

 さて、赤本(2014)の下巻では、東京地裁民事27部(交通事故専門部)の部総括裁判官が、「近時、当部の民事交通訴訟においても一定の割合を占め、また、社会的注目も集めている自転車に関連する事故について、一言触れておきたいと思います。」と述べ、近年の自転車が関連する交通事故が増加傾向にあること、及び平成24年12月に警察庁から「自転車の交通ルールの徹底方策に関する提言」が発表され、ルールの周知や交通安全教育の推進、指導取締の強化等が進められることに触れた上で、「民事交通訴訟においても、自転車が関連する事件が一定の割合で存在するところであり、これまで、あまり議論がされてこなかった、歩行者と自転車との事故、自転車同士の事故の過失相殺について、考え方を整理する必要を感じています。」と仰っています。

 また、同部の別の裁判官が、講演の中で、3つの自転車同士の事故事例をもとに、自転車の特殊性や過去の裁判例を踏まえて、自転車事故では自動車事故とは異なる過失相殺割合が認定され得ることを解説しています。

被害者側にも落ち度?

 過失相殺というのは、発生した損害について加害者と被害者に公平に負担させるもので、事故発生に関して被害者にも過失があった場合に、損害額の算定にあたり、被害者の過失を考慮する制度です(民法722条2項)。動いている車同士の事故では、よほどのことがない限り、被害者側にも何らかの落ち度が認められるケースがほとんどです。被害者にたとえば、事故によって被害者に100万円の損害が発生しても、事故発生につき被害者に10%の落ち度があれば、被害者の損害賠償請求は90万円の限度でしか認められません。

 被害者側にどういう事情があれば、どのくらいの過失割合が認められるかという基準は、法律では決まっていません。

 しかし、多数の交通事故訴訟をある程度統一的に処理するために、過去の裁判例の集積をもとに事故態様ごとに過失割合を示した東京地裁民事交通訴訟研究会編『民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準〈全訂4版〉』(別冊判例タイムズ16号。以下「別冊判タ16号」といいます。)が、実務上、自動車関連の交通事故の過失相殺割合を判断する際の一応の目安となっています。

自転車加害事故の過失割合の判断基準は?

 しかし、自転車同士の事故や自転車と歩行者の事故のように自転車が加害者になる事故に関する過失割合の判断基準は、別冊判タ16号に示されていません。

 もっとも、財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部過失相殺研究部会から、『自転車事故過失相殺の分析 歩行者と自転車との事故・自転車同士の事故の裁判例』が発刊されており、また、先日発売されたばかりの赤本下巻にも『自転車同士の事故の過失相殺基準(第一次試案)』が収録されており、社会的関心が高まっている自転車加害事故に関する過失相殺基準の定立作業は、自転車加害事故の特殊性を踏まえ、現在、ブラッシュアップ中といったところです。

 雪の日の運転

 昨日から日本全国で大雪が降っています。僕が高校卒業までの18年間を過ごした青森では、毎日毎日、大雪が降り、最高気温も連日氷点下だったので、昨日の雪を見てビックリというよりは、素朴になんだか懐かしいなぁと思ってしまいました。

 昨日に比べれば東京の路上の雪はだいぶ減りましたが、自転車や自動車にとっては、まだまだ路上は雪でハンドルをとられやすく、路面が凍結して滑りやすかったりするのでとても危険です。普段よりも事故が起こる危険が高いですし、(事故は起こらないのが1番ですが)仮に事故が起こった場合でも、危険な状況下で運転することは過失割合的に不利に認定される可能性がありますので、運転は控えた方がいいですよ。

日比谷ステーション法律事務所は自転車事故の相談を受け付ける専門サイトを立ち上げました。
自転車に轢かれた歩行者、自転車同士の事故の被害者の方など、自転車に関係する事故に遭われた方はご相談ください。

自転車事故相談サイト